2018.9.28

営業スタッフに同じ営業プロセスを踏ませる

営業の生産性を上げる最も効果的な手段は、営業マネージャーのコーチング時間を最大にすることです。ここでは指標主導の営業コーチングについて見ていきましょう。

コーチング力の弱い営業マネージャーは、持っているすべての知識を投げかけて部下を育てようとしてしまう傾向にあります。この事態が最も多発するのは研修を終えたばかりの新人が配属される時かもしれません。なぜなら、営業マネージャーの期待値と新人スタッフの実績とのギャップに気づくからです。その結果、営業マネージャーは新人スタッフをフィードバック攻めで圧倒させてしまいます。すべてのスキルを同時進行で習得させようとしても結局何も身にならないのが現状なのです。

最良の営業マネージャーとは、各営業スタッフのパフォーマンスが最大限に効果を生む1つの特徴を見極め、その特徴を中心にしたコーチング計画が立てられる人といえるでしょう。

営業チームが8名程度に拡大するレベルでは指標主導のコーチング文化を導入するのは簡単かもしれません。しかし、営業マネージャーを増員し、さらにその上の部長も加わる形になってくるレベルになってくると、組織内で自分の考えを反映させることは困難になっていきます。

コーチング計画を立てる際には営業マネージャーが各営業スタッフと一対一で対談していきます。営業スタッフと一緒に計画を立案することで、営業マネージャーは一連の質問を通じ、さらにはチームで結果を分析するなど行い、短所を診断できるようになります。

例えば対談時、以下のような質問をするのは良いかもしれません。

「先月の成績についてどう思いますか」
「定量的な観点から、良くできた点と改善点は何ですか?」
「数字を評価してみましょう。この指標におけるあなたの実績について見解を教えてください」

など、営業マネージャーは主要な指標を使って面談を進めるのがよいでしょう。
そして指標を一通り査定した後、営業マネージャーは最も重要な質問をしなければなりません。

例えば、
「一緒に検討してきた定量的観察と指標を考えて、今月取り組むべきスキルは何ですか?そのスキルについて私が手助けできる一番良い方法は何ですか?」といった質問です。

営業マネージャーは、各営業スタッフの意見を重視し、計画を調整すべきです。このような柔軟なアプローチにより、営業スタッフの同意とやる気を最大限に引き出すことができます。スタッフ自身が自分のコーチであることを再認識し、自身の短所を受け止め、自己実現のためにコーチング計画を自分で立て学んでいけるでしょう。

では、どの営業指標を追いかけるのが最も良いのでしょうか?

それは当然のことながら会社によって異なります。例えば、すでに追いかけている重要な指標から始めることで、最初の関門を比較的容易にした方がよいかもしれません。

営業報酬制度や営業コンテストの実施

理想的な報酬制度は、業種のみならず会社の成長段階によって異なりますが、報酬制度は最も強力なツールとなります。例えば下記のような制度を参考にしてみてはいかがでしょうか?

1.ハンティング制度(新規獲得の評価基準)
新しい顧客の獲得を何より重視する制度。顧客の離反を防ぐため、顧客が途中で解約した場合、歩合を取り戻すというしばりを設ける。顧客を一定期間維持できれば歩合を返上する理由はなくなるため、顧客獲得速度は加速するが、その後顧客離れが膨れ上がる可能性が高い。

2.カスタマーサクセス制度(顧客成功の評価基準)
成功している人間のプロセスを詳しく掘り下げ、他の人間とどう違っているか理解し、優れた手法をチームに反映させる。手順としては営業スタッフ別の顧客離反率を分析し、ランキング制度を実施する。優秀な営業スタッフには歩合を高めるが、業績が悪いスタッフは歩合を低くした上でスキル開発のサポートを行うことによって顧客離れを防止していく。

3.カスタマーコミットメント制度(顧客責任の評価基準)
営業スタッフに自分で運命を切り開いてもらうため、100%スタッフをマネジメントし、カスタマーサクセスにつながる指標とは何か?を考えさせる。

さらに新しい歩合制度を評価するための基準として「シンプル」「目標との一貫性」「迅速」の3つの基準に基づいた営業の歩合制度を評価することが効果的です。

シンプル:制度はとにかくシンプルにし、どのような結果が報酬に直結するか明確にすべきである。

目標との一貫性:会社が達成すべき最も重要な目標は、顧客数か、収益化カスタマーサクセスか、マーケットシェアか、新製品の販売か?といったことを考えさせる。営業報酬制度を目標と適切に一致させることが強力なツールとなる。

迅速:営業スタッフが成功したら迅速に給与に反映されなければならない。

報酬制度の展開をうまく行うためには、制度設計に営業チームを関与させることも効果的です。そのために

・タウンミーティング会議を定期開催する。
・フォローアップとして制度変更の理由を並べ、新制度の目的を説明し、検討している仕組みをいくつか提示する。デジタル式のやり方により、時間があるときに途中参加、話し合いに参加できるようになる。
・歩合制度のほか、リーダーシップ力を啓発したい、起業家的な視野を養いたいといった営業スタッフに向け、キャリアプラン制度を作る。

といったことを行うのはよいのではないでしょうか。

その他にも下記のような制度を取り入れてみるのもよいといえるでしょう。

昇格制度:営業報酬制度の中でも効果的な仕組みであり、営業スタッフは競争が激しく、金銭的な動機付けで目標を達成しようとするもの。主観やえこひいきが排除され、営業スタッフは自分でできる限り迅速に昇格できるよう精進することになり、在籍期間でなく単純に実力主義といったことが昇格対象となる。

営業コンテスト:営業コンテストは報酬制度とほぼ同等に効果的。コンテストはありふれた通常業務に楽しみと活気をもたらすだけでなく、望ましい行動に繋がる上、一時的に短期集中するきっかけを与えてくれる。

下記は営業コンテスト企画の一例です。

1.コンテストを通じ、チームの大多数に期待される短期間の行動変化を促す。
2.チーム単位のコンテストにする。
3.チーム単位の賞にする。
4.毎日コンテストの順位を更新し、発表する。
5.適切な期間(望ましい行動変化を促すくらいの長さかつ営業スタッフの集中力が切れないくらい程度) を選ぶ。