2019.2.1

SNS=コミュニケーションではありません。 SNSは「プレゼンテーション」作業です。

「SNS? バズればいいんでしょ」
「SNS? “中の人”が見えればいいんでしょ」
「SNS? 流行に沿って面白いコンテンツを配信すればいいんでしょ」
「SNS? “コミュニケーション”が大事なんでしょ」

こんな風に考えている企業のトップや、SNS運用担当者のなんと多いことか。
そんな皆さまには、最近の流行語を使って、こう申し上げたいと思います。

ぼ~っと生きてんじゃねーよ! By チコちゃん

SNSの運用が上手くいっていないのは、CMOなど責任ある立場の人が原因です

まず、この記事はSNS運用担当者の方ではなく、その上の方、SNSや広報やマーケティングを統括している責任ある立場の方々(例えばCMOなど)にお読みいただきたい。

SNSを使って企業利益を得るには、そのくらい組織の上位の方たちの意識改革や協力が必要だからです。

SNSはコミュニケーションではなく、人の心を動かす「プレゼンテーション」作業です

SNSを企業活動に取り入れたものの手応えがないとか、フォロワー数が伸びないとか、思ったような成果が得られていない企業アカウントが多く見受けられます。

上手くいっていない最大の理由はSNSをコミュニケーションだと思い込んでいるからです(しかも現場レベルの)。

もちろん、コミュニケーション性は欠かせませんし、顔の見えない大量の個人アカウントと真の意味でのコミュケ―ションをとることは難しいことです。しかし、それらを単なるコミュニケーションと捉えることは本質ではありません。

つまり、SNSとはエンドユーザーに対する「プレゼンテーション」作業なのです。

ここを理解していないとSNSでの成果は得られません。

ダメなプレゼン、良いプレゼン

プレゼンにも良し悪しがあります。

ダメなプレゼンは聴衆の心を動かしません。一方的な情報発信であったり、聴衆を置いてきぼりにする進行だったり、ちっとも記憶に残らなかったりします。酷いケースでは、「いったい何を伝えたいの?」とよく分からない不安な気持ちにさせたりもします。

一方、良いプレゼンは思わず聴き入ってしまいます。伝えられた情報に心動かされます(プレゼン後に、そのサービスや商品を検索したり、実際に購入してみたりする人もいます)。成果を上げているSNS(企業アカウント)は、良いプレゼンを行っています。

〔プレゼン上手な企業アカウントの一例〕

  1. 株式会社タニタの公式アカウント:@TANITAofficial
    〔フォロワー数〕 27万人以上
    約8年前に”ゆるく”はじまったアカウント。個性的なツイートは、ユニークさを発揮しただけではなく、異業種の企業アカウント(他の企業の中の人)とツイッター上でコミュニケーションをはじめるなど、そのやりとりに惹かれて多くのユーザーに注目されるようになりました。結果、自社商品のアピールやブランディング構築が自然な形で行えています。
  2. シャープ株式会社の公式アカウント:@SHARP_JP
    〔フォロワー数〕 48万人以上
    遊び心たっぷりの投稿、常に消費者目線を忘れない投稿はもちろんですが、特筆すべきは自社の素敵な話だけを発信するのではなく、一社員としての自社へ向けた愛ある本音の投稿も混じっています。ユーモアはもちろん、冷静で客観的なつぶやきに共感するユーザーが多数。結果、このフォロワー数。ツイッター経由でのファン化に成功した最好例ではないでしょうか。
  3. 岩下食品社長であり岩下の新生姜ミュージアム館長・岩下和了氏のアカウント :@shinshoga
    〔フォロワー数〕 5万人以上
    社長自らがプレゼンテーター。企業のトップ自らがツイッターを使って顧客市場・未開拓市場と直接かつ頻繁にコミュニケーションしている代表的な例です。ダイレクトにお客様の生の声を拾う・聞く・返信する以外に、「岩下の新生姜=漬物」という固定的なイメージを覆すべく、これまで直接的接点がなかった若い層(ツイッターユーザー層)に相対し、PR活動を続けています。

SNSを「優れたプレゼン」にするために

あなたは、どんなプレゼンをされたら気になりますか?
記憶に残っているプレゼンはどんなものですか?
「これは見事!」と思ったプレゼンとはどんなものでしたか?

ビル・ゲイツも絶賛したという『マイクロソフト伝説マネジャーの 世界№1プレゼン術』という本の中で、著者であるプレゼン達人の澤円(さわ・まどか)さんは、こう語っています。

プレゼンの三つのゴール

  1. 聴いた人がハッピーになる
  2. 聴いた人から行動(決断)を引き出す
  3. 聴いた内容を他人に言いふらしたくなる

端的に言えば、プレゼンとはこの三つを達成するためのものであり、この三つのゴールに向かって行うものです。
(中略)
あなたが日々行っているプレゼンは、この三つに正しく向かっているでしょうか。

もしかしたら「情報を伝える」「相手に理解してもらう」など、いわゆる「ファクトの説明」に終始してしまってはいないでしょうか。「ファクトの説明」というのはプレゼンにおける一つの要素かもしれませんが、目指すべきゴールではありません。

「プレゼン」という言葉を「SNS」に置き換えて読んでみてください。同じことが言えます。

フォロワー数が増えないと嘆く企業アカウントは、単に自社商品の告知をしているだけ(情報を発信しているだけ)なのではありませんか?

一方的に告知するばかりで、フォロワーに対して「他人に言いふらしたくなる」ような面白い、あるいは有益な投稿をしていないのでは?

ユーザーに響くプレゼン、読んでもらえるプレゼンを

ネットユーザーの方たちに

「この企業(企業アカウントさん・中の人)の話は面白い」とか

「この企業の話は読み続けてもいいな(フォローを外す必要はないな)」とか

「この企業の言うことは信用できるな」

と思ってもらえたら、一定の成果が出たと思ってよいでしょう。測定軸はフォロワー数(とその増減)かも知れません。

SNSというプレゼンは、「続けたい!」と思う限り永遠に続き(逆にいつ止めてもOK)、「おもしろい」と思われてはフォローされ、「つまらない」と思われてはフォローを外される地道で楽しい活動です。

責任ある立場の人が、“中の人”としてプレゼンする場合でも、専用の“中の人”を立てる場合で、会社全体として、どんなプレゼンにするか、具体的には、「何を伝えるのか」、「どんなストーリー構成にするのか」、「どうやって楽しく聞いてもらうのか」等をあらためてしっかり考えてみてはいかがでしょうか。

そして、どうかユーザーに響くプレゼン、ネット民の心を動かすプレゼンを。