2019.3.14

売れるBtoB営業担当者が実践している、業績を飛躍的に伸ばすのに不可欠な「隠れたキーマン」の発掘方法とは?

この記事では、「隠れたキーマンを探せ~データが解明した最新B2B営業法~」の中でポイントとなる「モビライザー」の存在、「コマーシャルインサイト」の見出し方、「コレクティブラーニング」の実践についてまとめている。詳細は書籍を読んでいただくことで更なる理解を深めてもらいたい。

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世界中の営業およびマーケティング幹部がもどかしく感じていることに、取引規模や利益率、成長率が下方圧力を受けている中で、かつての成長戦略が一向に通用しなくなっているという現実がある。どのような業界トップ企業でもクライアントが購買先を決定するにあたり、サプライヤー候補は複数存在し、最後はいつも価格競争となってしまう。

サプライヤーの競争相手はライバル企業の販売力ではなく、顧客の決断なのだ。この問題の本質は、サプライヤーが上手く売ることではなく、顧客組織が上手に買うことができないことにあり、その原因は幅広い関係者全員の合意が取り付けられない、ということが問題なのである。

さて、B2Bの購買決定に関わる人数は平均して「5.4」人いると言われている。この5.4人というのは一体誰なのか?それぞれの興味や関心はどこにあるのか?当社のソリューションは顧客のニーズをどのようにして満たすのか?これは単に数の問題ではなく多様性の問題だ。これが現在の顧客コンセンサスの実態なのだ。

顧客コンセンサスを勝ち取るための最大の課題は、サプライヤーのソリューションとは全く関係ないところにある。サプライヤーにとって営業成果を上げるための優先課題は、自身の販売能力とは異なる「合意できない顧客」への対応なのである。

個の支持を集団に合意に進化させるために、サプライヤーはクライアント関係者との協力をもとに他の4.4人へ、「私」から「私たち」への橋を架けねばならない。ではサプライヤーは、5.4人の中でどんな人物を選ぶ必要があるのだろう?

ここで一般的なB2B販売において、顧客関係者が以下の7つのタイプに分類される点について触れていくことにしよう。

「ゴー・ゲッター」…組織改善一筋。優れたアイデアを支持し、結果を出す。
「スケプティック」…立証責任を求め、納得できる材料を欲しがる。
「フレンド」…販売員にとって接しやすい。組織内の関係者とネットワークを築いてくれる。
「ティーチャー」…新しい知見を教える。同僚や幹部から意見を求められる。
「ガイド」…内部に関する手に入りにくい情報を提供してくれる。
「クライマー」…個人的な利得を重視する。
「ブロッカー」…変化や混乱をもたらすプロジェクトを積極的に回避する。

この分類されたタイプの中で、パフォーマンスが高い販売員は、「ゴー・ゲッター」、「スケプティック」、「ティーチャー」との関係性を重視する。彼らは合意に基づく変革を推進するのが得意なのだ。彼らを「モビライザー」と呼び、彼らへの接触が変革への後押しとなる。

一方で平均的な販売員は、「フレンド」、「ガイド」、「クライマー」をターゲットにする。彼らは「トーカー」と呼ばれ、組織変革への影響力は比較的少なく行動力に乏しいのが特徴である。「モビライザー」と「トーカー」を見誤ることがないよう、以下にモビライザー適性診断を記しておくのでぜひ参考にしていただきたい。

ここで、忘れてはならないのは「ブロッカー」の存在だ。ブロッカーはまぎれもなく、サプライヤーとの商談を妨げようとする存在だ。ただし、ブロッカーは無視することはできても、立ち去ることも傍観することもない。ブロッカーはどんな取引現場にもいるものだ。

ブロッカーへの対応は顧客の中のモビライザーといった関係者によって無力化できないか?を自問する必要がある。それが可能であれば「コレクティブラーニング」を用いることによって圧力を加えるのが効果的だ。

次にサプライヤーは「モビライザー」への接触を行うために、以下の3つを実行しなければならない。

(1)「モビライザー」にどこで学べばよいかを「指導」する。
そのためにコマーシャルインサイトの中心にある型破りなアイデアの探求を刺激し、そのアイデアを導入、直面させる。

(2)「モビライザー」への関与の仕方をそれぞれのタイプに「適応」させる。
モビライザーとトーカーをプロファイリングした上で、トーカーを除外し相手にしないようにする。さらに3パターンのモビライザーのタイプを特定していく。

(3)「モビライザー」が合意形成プロセスを「支配」できるように導く。
メンタルモデルが収束するにつれ合意領域は大きくなる。多様な顧客関係者の間で収束を促すには

・共通言語を作ること
・各人の視点や目標に対する共通理解を深め、関係者が何を望んでおり、それはなぜか?理解しあえるようにすること
・購買集団が一つの事業目標に向かって行動できるようにすること
・個人や集団のバイアスをすること

そのようにして顧客の行動を変えさせたところで、サプライヤーとして選定してくれるとは限らない。サプライヤーがお金を払ってもらうためには、他社より秀でている能力について思い起こしてもらう必要がある。それを「コマーシャルインサイト」と呼ぶ。コマーシャルインサイトの構築は容易ではない。コマーシャルインサイトは見つけるものではなく、作るものだからだ。

「顧客が自らのビジネスについてわかっていない点は何か?」

顧客があなたの会社についてどう思っているかをもっと知ることではないのだ。このシンプルな問いに答えるためにツールや戦術、フレームワークを駆使してコマーシャルインサイトを創出してくことになる。これを顧客に提示することができるようになると、

・作るべきコンテンツの数が減る
・自社コンテンツが一人歩きし始める
・見込み客の質が高まる
・第三者がSNSで普及してくれる
・高価なソリューションに合意する取引が増える
・スピーカーとして招待される

といったサプライヤーとしての質が格段に変化してくるといえよう。

さて、サプライヤーが質の高い取引を勝ち取る可能性に影響を及ぼす強力なドライバーとして「コレクティブラーニング」がある。コレクティブラーニングとは「関係者がお互いの考え方について話し合い、これを参考にし、まだ認識されていない合意ポイントを探り、共通の意思決定に達することで、社会的規範を築こうとする相互作用プロセス」のこと。

顧客が高い料金を支払ってくれるような質の高い取引を実現するためには、顧客関係者同士の理解不足をなくすようにサプライヤーが手助けすることが課題となる。コレクティブラーニングの環境づくりは共通の土台探しから始まり、断絶を埋めるためにどのような共通言語を用いる必要があるのかを探すことがとても重要だ。

コレクティブラーニングの重要性は、今日のコンセンサス主導の購買において顕著である。意見の相違や機能不全により、最低限の共通項に基づいた取引しか実現できていない現実を打破してくれる。コレクティブラーニングを使うことでモビライザーの購買決定を支援でき、多様な関係者を束ねることが可能となり、その結果重要な意思決定につながるのである。

以上、「モビライザー」、「コマーシャルインサイト」、「コレクティブラーニング」についての概要をまとめてみたが、いかがであっただろうか?詳しくはぜひ書籍を読んで内容を深堀してもらいたい。それによりあなたが今までとは異なる営業手法を身に付けることを切実に願っている。

 

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