2019.4.18

なぜあなたの会社には次世代を担う若手人財がいないのか?

「分かってはいるんだけどね。任せられる人がなかなかいないんだよ」
年間300社以上の組織改善をサポートする中で、よく耳にする経営者の方々の悩める一言です。

「社員の世代交代を控えており、次の幹部陣を選出したい」「新規事業を立ち上げ、次の基幹事業を作りたい」「60歳を過ぎ、事業承継を考えたいが任せられる人財がいない」など、いわゆる次世代リーダーの不在です。

「とはいえ、ある程度の権限を委譲できる経営幹部もいるはずでは?」と、こちらから質問するものの、その経営幹部もすでに若くなく、次世代を支える中堅人財がいないという課題にぶつかります。これは今、わが国のあらゆる業界業種で起こっている現象です。どうしてこのような次世代リーダーの不在現象が起こるのでしょうか?

リーダー不在を招く二つの要因とは?

将来の経営幹部として活躍してほしい人財が伸び悩む理由には、二つの要因があります。まず、一つ目は”コミットメントスコープの狭さ”です。コミットメントスコープとは、業務を遂行する上で社員が「成果を創出すべき」と考える範囲を組織規模軸と時間軸の2軸で指し示したものです。以下の図を見てください。

例えば、次世代の部長となる社員は、組織規模軸では部署レベルで、時間軸では3年先まで考えながら成果創出を目指す必要があります。一般的に、マネジメントレイヤーが上がれば上がるほど、成果創出の範囲はより組織規模軸で大きくなり、時間軸でも長期的な目線で業務をこなす必要が出てきます。

このコミットメントスコープにおいて、伸び悩む人財には、現在のマネジメントレイヤーの外側にあるもう一段階広範な業務やプロジェクトを成果創出の範囲として認知できていないケースが往々にしてあります。

そして、リーダー不在の二つ目の要因は、”曖昧な業務を解決する能力”の不足です。曖昧な業務を解決する能力とは、答えのない業務に対して自分なりの意見を持ち、提案や意思決定ができる能力のことです。

マネジメントレイヤーがランクアップするにつれ、代替人財が少なくなり、業務目的の抽象度は上がります。それに伴い、目的達成ルートの曖昧性が高くなり、答えのない道程を模索していくことになります。伸び悩む人財は、このような指示のない業務にうまく対処することができず、ついには手が止まってしまいます。

活躍してほしい人財を成長させるベストプラクティス

なぜ期待をかける若手人財のコミットメントスコープは広がらないのでしょうか?

どうして曖昧な業務を遂行する能力が伸びないのでしょうか?

それは、圧倒的な打席数の不足にあります。打席数とは、トレーニング数や成長機会の数と言い換えることもできます。成長機会を与えず、経営幹部となるにふさわしい能力を身につけられる人財は、ごく一握りにすぎません。どうしても経験が必要となります。

最もよく目にするもったいない光景は、優秀であるにもかかわらず、リーダーの補佐に留まり、リーダーシップを発揮する機会を逃しているケースです。向上心を持って入社したメンバーが、いつの間にかリーダーの陰に隠れてしまうことがしばしばあります。挙げ句に、その状況に居心地の良ささえ覚えてしまい、自ら成長機会を放棄してしまうのです。

もし次世代の経営幹部として活躍してほしい人財がいるのであれば、コミットメントスコープの範囲を拡大させ、思考の幅が広がる成長機会を積極的に与えていく必要があります。抽象度の高い業務に対して、自ら答えを導き出し意思決定する機会を意図的に設けていくのです。

次世代幹部の育成に今すぐできること、10年計画で取り組むべきこと

この手法はとてもシンプルです。今すぐできることとしては、期待する人財に選抜型の教育を実施することです。成長の“機会は平等に”あるべきですが、“評価は公平に”行われる必要があります。期待する人財を組織内で明確に示すことは、選ばれた本人に対しても、選ばれなかった周囲に対しても、ほどよい緊張感を生み出します。

また、選抜した人財への教育レベルを高めることで、人財のトップレベルを引き上げることができ、結果として、それが組織の成長角度を変えることにつながります。

一方、10年先を見据え、次世代幹部の育成のために長期的に取り組むべきこともあります。それは、ガバナンス体制の強化であり、その一つに全社教育体制の構築が挙げられます。次世代の経営幹部の育成は、本来であれば入社1年目の教育から始まります。

早期の段階から経営幹部に必要な素養を磨く機会を与え、より多くの人財に成長のチャンスが訪れることで、リーダーの総数は必然的に増えてきます。”つぎはぎ教育”ではなく、人財育成のための全社教育体制を設計することは、根本治療として最も効果的と言えます。

リブ・コンサルティングでは、人財・組織開発の取り組みを積極的に行っております。どんなに優れた事業戦略を描けたとしても、実行できる人財・組織がなければ成果にはつながりません。

私たちは経営戦略、マーケティング、営業力強化など、さまざまな分野でクライアントとともに課題解決に取り組みますが、“実行”部分を焦点から外すことは決してありません。貴社事業の実行部隊となる人財・組織に課題をお感じの方は、お気軽にお問い合わせください。