2018.7.30

「営業採用方式」~いつも同じように成功している営業スタッフを採用する~

成功している営業スタッフの特徴を明らかにする

皆さんの属する企業が営業チームを大きくしようとする際にやるべきことの中には

・採用
・研修
・コーチング
・案件別の振り返り
・販売予測
・企業取引のサポート
・リーダーシップ開発
・部門間協力のためのコミュニケーション

など、様々な業務があるのではないでしょうか。

しかし、どのような企業でも資金と資源は限られています。
「何から順番に行うか?」「何を選んで行っていくべきか?」これらをきちんと見極められるかどうかによって、最終的に成功するか失敗するかが決まってくるものです。

一般的な企業の役員が取る行動として、すぐそばに迫っている大口取引契約や社内ミーティングにおける営業マンの鼓舞、能力不足の平均以下の営業スタッフ育成にエネルギーを注ぐ、といったものに向かいがちです。つまり、長期的な採用戦略を優先することはほとんどないのです。

きちんと採用戦略に向き合い、継続的に大口顧客を獲得できる業界トップの営業スタッフが一人でも採用できれば企業間競争に打ち勝つことができるのに、あなたの会社ではその可能性を放棄してしまっていませんか?

そんな企業の営業戦略や組織作りを担う立場の方々に対して、この記事では、トップセールスで形成されるチームを作るための採用戦略について見ていきたいと思います。

世界レベルの営業採用プログラムとは?

企業におけるすべての営業スタッフは

・接客販売に優れている
・日々の営業活動目標を必達する
・プレゼンテーションスキルが高い
・人脈が広い

などの何らかの強みを持っています。ところが、営業内容が企業によって異なるため、営業スタッフの強みが自社の商材とぴったり合致していれば最高ですが、もし合致していない営業スタッフを採用した場合、お互い非常に困難な道を進むことになってしまいます。
営業スタッフが以前所属していた企業では高い能力を発揮していたとしても、自社にとって理想的な人材かどうかを採用の段階で見極めねばならず、そのため企業ごとに理想的な営業採用の方式を考案する必要があるのです。

実は、理想的な営業採用方式は企業により異なるとはいうものの、方式を設計する「プロセス」は同じだったりします。
ここからは営業採用方式の設計プロセスについて順を追って説明していきます。

営業採用方式の設計プロセス

営業採用におけるプロセスは以下の4つの順番で進めていくことがおススメです。

(1)理想的な営業の特徴を定義する
(2)それぞれの項目について評価方法を決める
(3)理想的な営業の特徴との比較を通じて、候補者を評価する
(4)営業採用方式を確立し、そのモデルを反復適用する

では、各項目について詳しく見ていきましょう。

(1)理想的な営業の特徴を定義する

まず、売上と相関関係が大いにありそうな評価のための特徴を列挙し、その特徴の定義を定めます。例えば特徴の項目に「知性」「積極性」とある場合、それは何を意味するのかを明確にします。各項目を1~10点で評価するのであれば、1点、5点、10点といった各点が具体的に何を表すかを明確にすることで、それぞれの候補者がそれぞれの指標で何点獲得するかを評価しやすくなります。

(2)それぞれの項目について評価方法を決める

(1)で定義した項目を使い、実際に候補者を評価していきます。
たとえば、行動パターンを知るために

・どんな質問をすべきだろうか?
・ロールプレイをすべきだろうか?
・面接前に課題を与えるべきかどうか?
・どのように経歴照会すべきなのか?

を一つずつ決定していきます。

(3)理想的な営業の特徴との比較を通じて、候補者を評価する

採点方法については高度なテクノロジーを使って複雑にする必要はなく、シンプルに行っていくのが適切です。この過程において重要なことはあくまで秩序であると認識し、新たな発見や学習を通じて、日々やり方を調整し続けることが必要といえるでしょう。

(4)営業採用方式を確立し、そのモデルを反復適用する

(3)で形成された採用過程をしっかりと継続し、理想の自社の営業採用方式を設計する体制を整えていきます。
特に面接採点表を振り返ることは重要です。その中で

・トップセールスに共通する特徴は何か?(この特徴が企業の成長に相関関係があるのかを注視する)
・重要ではない特徴は何か?
・成功が予測できない特徴は何なのか?(そのような特徴は重視しないようにするか、完全に排除する)
・何かほかに見落としているものはないか?(もし何か優位な特徴を発見したら、面接採点表に追加した上で評価していく)

といった疑問や課題が出てきますので、これを一つ一つクリアしていきます。

この(1)~(4)を繰り返し実行することによって

・採用時の特徴と採用後の営業の成功を関連付けることが可能
・主観的項目を営業採用方式からほぼ除外することが可能

となります。

一般的に、優秀な営業スタッフに関連付けされる「積極性」や「応酬話法力」といった特徴は、本来の成功とは真逆の能力となるようです。その理由としては「インターネットの普及」によって取引主導権が営業スタッフから顧客に移行し、顧客側が押し売りを許容しなくなっている、といったことが挙げられます。そのため、主導権のある顧客に対しては、強引で威圧的なスタッフではなく、聡明で親切な営業スタッフが求められる、といったことが企業側には求められます。

このような採用方式を取り入れ、定期的に回帰分析を行うことによって、顧客の傾向や嗜好の変化、さらにはマーケットの変化がわかるようになってきます。さらにこの評価方式は、たとえ人事担当者が変わったとしても、探すべき特徴と評価方法をすぐ正確に実施できるものとなっています。

「優秀な営業スタッフにおける5つの特性と面接方法」

先ほど「営業採用におけるプロセスの中で、まず相関関係が大いにありそうな評価のための特徴を列挙する」と述べました。実際採用活動をする上で、売上と最も大きく関連する特性は5つある、とこの本の中では定義されています。その5つとは

(1)コーチング応用力
(2)好奇心
(3)成功体験
(4)知性
(5)勤労意欲

となります。ここからはこの(1)~(5)の特性について、どのように候補者を評価すべきか深く掘り下げていきます。

(1)コーチング応用力

コーチングを受け入れ、学び、応用する能力のこと。この能力に長けた候補者は自己診断ができ、苦手部分の改良点を提示することができます。まさに「理解」と「応用」こそがコーチング応用力の核心であり、これがないとコーチングを受け入れることに苦労してしまったり、情報を理解してもそれ生かすことができなかったり、という結果になりがちです。

コーチング能力の査定における効果的な3ステップは以下のようになります。

ステップ1:会社のターゲット層に当たる顧客に対するロールプレイの例題を作成する
ステップ2:候補者の自己診断能力(自己分析)を評価する
ステップ3:候補者の指摘を受け入れ、応用する力を評価する

候補者へのフィードバックに対し、良かった点と改善点の両方を指摘してあげることはとても重要です。もし改善点しか指摘しない場合、候補者は面接に失敗したと思うかもしれませんが、そこでプラスのフィードバックを与えることにより警戒心を取り除くことができるのです。
また、ロールプレイにおいては完璧な成果を期待するのではなく、あくまで努力を評価することが必要となります。

(2)好奇心

好奇心とは、効果的な質問とヒアリングによりお客様のニーズを理解する能力のこと。トップセールスになる一つの方法として、見知らぬ人に近づきいろいろと質問することは経験を積むうえで大事かもしれません。その際、自分のことを一切話さずどれだけ質問し続けられるか?に挑戦してみることをおススメします。その際、もし相手が尋問されていると感じ逃げてしまったら、もっと練習が必要であると言えますし、反対に「あの人は頭がよく、面白い人だったな」と思われたとしたら、トップセールスに順調に向かっている証拠です。

(3)成功体験

成功体験とは、過去の優れた業績や目覚ましい成功を収めた経歴があるかないかのこと。この5つの特性の中で最も客観的に測定できる項目となります。

ただし、成功体験評価の難しいケースとして、候補者が一定規模の営業母体でやっていない場合やまったく営業経験がない場合は、営業活動以外の成功体験で評価するしかありません。

(4)知性

知性とは複雑な概念を瞬時に理解し、わかりやすく説明する能力のこと。急速に進歩している業界に所属するような営業スタッフは、正確に、時代の変化がどうマーケティング戦略に関連するかターゲット層に伝える必要があります。そのため候補者が

・与えられた情報をどれくらい理解しているか
・またその情報に対しどれくらい簡潔に話すことができるか

この2つの能力が高ければ、高い知性の持ち主であることを示していると言えます。

(5)勤労意欲

勤労意欲とは、膨大なエネルギーと日々の活動量を使い、企業目標を積極的に追及する力のこと。これは5つの特性でもっとも評価が難しいものとなります。

候補者の勤労意欲を図る方法は以下の3つとなります。

1.面接の態度を観察する
電話の折り返しは早かったかどうか?提出書類をすぐ提出したか?日時を積極艇に催促してきたか?

2.推薦者をチェックする
以前の上司や同僚の話から確認する

3.候補者の行動パターンについて質問する
候補者がどの程度積極的に業務に取り組みか知るために、典型的な就業日や1週間について問う

 

 

以上紹介した5つ特性は、概ねどこの会社の営業採用方式でも重要な役割を果たします。是非皆さんが属する企業においても活用してみることをおススメします。

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神田昌典:監修