2018.9.6

2018年 世界で最も影響力のあるCMO

CMO(最高マーケティング責任者)とは、ビジネスで非常に重要な影響力を持つ最高位の役職の1つです。彼らは独自の方法を用いて顧客ニーズや重要な顧客層を理解し、お客様の声をビジネスに反映させる役割を担っています。

CMOの業務範囲や複雑さはますます大きくなってきています。彼らの仕事はもはや単なる業務上の役職や広告戦略部門の管理職というだけではありません。その上豊富なスキルを持ち合わせ、専門的な分野のみならず広く業界に精通していなければなりません。

Forbesでは独自の調査を通じ、ビジネス社会全般における、抜本的な改革を行う偉大な影響力を持ったCMOを紹介します。彼らは業界を超越した戦略的な機転や創造性のある革新を求められている人物たちであり、顧客の声を元にカスタマーエクスペリエンスやデジタルトランスフォーメーション、業界改革を行っていく存在でもあります。CMOの役割が複雑化する中、彼らに対する期待値も上がる一方です。また自社組織の改革だけでなく、業界の枠を超えてアドバイスをするなど様々な場で活躍しているのです。

今回ご紹介するのは、2年連続トップにランクしたユニリーバのキース・ウィード氏です。

ウィード氏は2010年から莫大な広告費を費やすユニリーバの舵取り役として活躍し、業界の問題点について容赦なく指摘していくという人物として有名です。カンヌライオンズ国際クリエイティビティフェスティバルでは、オンラインビジネス上の不正を撲滅するため、マーケティングインフルエンサーに徹底的な見直しを訴えていました。また同時に「影響力のある企業であってもSNS上のフォロワーを買収するような企業とはビジネスはしない」と明言したことは記憶に新しいでしょう。

さらにはデジタルプラットフォームに、「バリュー」(価値)・「ビューアビリティ」(見易さ)・「バリフィケーション」(承認)の「3V」を実現させることを求めた人物でもあります。ブランド価値の継続性が必要とされている中、ウィード氏は各企業の自社サービス改善のために投資をすべきであると警告したのです。

続けてトップ10にランクインしたCMOをご紹介していきます。

2位:GE(ジェネラル・エレクトリック)のCMO兼CLOを務めるリンダ・ボフ
3位:TwitterのCMO兼人事責任者のレスリー・バーランド
4位:ヒューレット・パッカード社のCMO兼CCOであるアントニオ・ルシオ
5位:マスターカード社のCMO兼CCO、ラジャ・ラジャマンナー
6位:Adobeシステム社のCMOアン・ローウェン
7位:アップル社の上席副社長フィル・シラー
8位:ヒュンダイCMOを務めるディーン・エバン
9位:米国大手銀行チェースのCMOであるクリスティン・リンカウ
10位:サムスン社のCMO、マーク・マディウ

さて、人々にとって、企業が社会的権力を持っていると感じる現代、CMOが大きな影響力を持つカテゴリーは次の3つです。

1.「組織構築」
→会社の社風や人材開発、組織構成にとどまらずテクノロジーの導入や共同という様々な視点からの貢献を成す

2.「業界」
→運営するビジネス業界と関係性のある市場トレンドの最先端をいき、マーケティング調査の指揮を執る

3.「社会」
→ビジネスの多様性や新しい業界への参入、ビジネスを持続させるために国を超えた問題点への取り組みや見解について明確に述べる重要な役目も持ち、そのためには消費者のマインドに敏感である必要がある

影響力を持つCMOの一人である、アメリカの大型スーパーマーケットTarget社のリック・ゴメスは、

「CMOの重要な任務は、企業の目的や価値を内部だけでなく外部へも伝えていくことです。なぜなら消費者が商品購入を決定する際、ブランドの特長よりも企業価値に重点をおくようになってきたためです。特にミレニアム世代の消費者は、ブランドが持つイメージで商品を選んでいます。我々は、ミレニアム世代の消費者が”モノ”を買うのでなく”モノに付随する価値”を買っていると考えます。私はTargetのCMOとして、ミレニアム世代がTargetに持つイメージとTargetに期待する価値を理解することが極めて重要だと考えます」

と述べています。

そして彼は、現在消費者のニーズや着眼点を知るための効果的な手段であるソーシャルメディアに対して「企業は迅速さも求められている」と付け加えました。

「問題が現れた数分後には、その問題は世の中へ知れ渡ります。恐るべきソーシャルメディアの時代です。携帯やパソコンを持っている全員が、いとも簡単に世の中に対して発言することができるのですから。だからこそ我々CMOは、自社に対する世論を常に把握し、早急に対応できる体制を備えておくことが必要なのです」

ここまでの流れでもわかるように、「カスタマーエクスペリエンス」の創造がCMOの任務におけるキーの一部であることは断言できると思います。世界の89%の企業はカスタマーエクスペリエンスを第一に考えています。トップリストに名前が上がったCMOたちは、カスタマーエクスペリエンスの創造がブランド価値を作り出すと認識しているのは明らかでしょう。

カスタマーエクスペリエンスを見直すことに対して、Sprinklr社のCEOトーマスは次のように述べました。

「人々は好きなブランドで身を固めます。しかし、企業が顧客の期待をきちんと認識していなければ、ニーズに沿ったカスタマーエクスペリエンスを作り出せません。そしてカスタマーエクスペリエンスだけでなくブランドとしての信頼も失うでしょう。結果、ブランドにとっても大きな損失になります。現代では、消費者も権力を持つ個人であるため信頼が全てです。なぜなら、消費者の発言がブランドの評価に大きく関与するからです」と述べています。

影響力のあるCMOたちは、全ての消費者が期待するカスタマーエクスペリエンスを与えることが戦略的な施策であると考えます。だからこそ、市場を超えてデジタルトランスフォーメーションを利用しているのです。そして顧客を満足させるカスタマーエクスペリエンスを作り上げるために市場をまたいで活躍しているのです。