2018.9.6

優秀な営業スタッフのタイプ別と採用方法

採用において最も難しいのは、採用チャネルを強化して、優秀な営業スタッフを見つけることです。優秀な営業スタッフは自ら仕事を探す(履歴書を書く)必要がありません。つまり、仕事を探さなくても常にいくつものオファーがあるのが通例となっています。そんな転職活動に消極的とされる、優秀な営業スタッフ候補者に対しての採用戦略が非常に重要となってきます。では、どうやって転職活動に消極的な候補者を採用すればよいのでしょうか?

例えば、人材紹介会社を利用すればよいのでしょうか?しかし、会社が営業採用のペースを今の3倍にするよう求めてくるなら、外部の人材紹介会社経由では予測を立てることができず、対応が難しくなるのが目に見えています。

「人材紹介会社に頼んではいけない。社内に採用チームを作ってはいけない。社内に人材紹介会社をつくるべきである」

社内に人材紹介会社をつくることがなぜ効果的なのでしょうか?

人材紹介会社のスタッフは熱心に仕事に取り組み、成功報酬契約に伴った大きな見返りを期待しながら業務を行っています。しかし、彼らはあなたの会社だけにその仕事をしているわけではなく、他社を含め報酬が高い会社に対して人材を斡旋しているのが現実です。

一方、企業内の採用担当者は人材紹介会社のスタッフとは異なります。彼らはプライベートを大事にし、報奨金もなく基本給をベースに仕事をしています。求人広告を書き、人事部長に履歴書を回す、採用時に候補者案内をするなど、一般的な業務を行うのみです。

そこで、人材紹介会社の優秀なスタッフの中で起業を検討している人間を見つけ、あなたの会社の中で社内起業を薦めることをしてみるのはいかがでしょうか?彼らは外部の人材紹介会社と同様に働くし、彼らこそが「転職活動に消極的な候補者」そのものなのです。あなたの会社はこうして、優秀な営業スタッフを見つけるための予測可能でかつ測定可能な、繰り返し適用できるプロセスを作り上げることができるでしょう。

しかしながら、経営状況によって採用担当部門を設けたり、人材紹介会社に業務委託したりといった、資金的余裕がない会社も多いかもしれません。その場合優秀な営業候補者を発掘する最善の方法として「LinkedIn」の活用がおススメです。なぜならLinkedInは消極的な営業候補者の宝庫といえるからです。

LinkedInの活用については、下記4ステップを無料で実施することができます。

ステップ1: LinkedInの検索機能を活用して、最適な候補者リストを得る

→検索機能を利用する際に活用すべき項目として

・郵便番号(候補者の居住地域)
・肩書(肩書に「営業」「営業担当」とある)
・学歴(出身大学の偏差値等のレベル別で選別することは企業が求める水準の候補者を絞り込むのに役立つ)
・会社(質の高い研修プログラムを行っているor大きな営業組織を持つ会社など)

などが好ましいといえます。

ステップ2: LinkedInの候補者プロフィールを元に、検索結果を絞り込む

候補者のプロフィールで重視するポイントに即して検索条件のさらなる絞り込みを行います。

例えば
・営業に優れていることを示す指標 (会社内での順位、ノルマなど)
・現在や以前の勤務先勤続年数 (競争が激しい環境で何年にもわたり高い実績を維持できたか)
・候補者のターゲット層&商材と自社のターゲット層&商材の一致 (相手が大企業か中小企業か?商品特性が単純か複雑か?など)
・学校と専攻科目 (知性と成功体験は営業成績と相関性の高い指標となる)
・LinkedInのプロフィールの質 (顔写真が無いなど、SNS社会において社会的存在感が乏しいケースは成功を望むには疑わしい)

ステップ3:事前に選別した候補者との連絡を取る

親しい友人や同僚を通してその人とつながれるようにすることはプラスになります。もしそれが難しい場合、会社のメールアドレスを推測し直接メールする方法もおススメです。メールに対して返答がない場合は電話をかけることもしてみるとよいでしょう。

ステップ4:身近な人材プールを知る

様々な営業組織をもっとよく知ることも重要です。
以下のような内容を企業の営業メンバーと面接し、ヒアリングすることで欲しい営業スタッフの実態が見えてきます。

・会社は営業スタッフにどれくらいの報酬を支払っているか
・ターゲット層と商材はどうなっているか?
・会社に営業スタッフは何人いるか?
・どのような営業研修を行っているか?
・トップセールスが転職を考えるような大きな変化が社内で起きていないか?
・トップセールスは誰か?

いずれにせよ、どうすれば有益な情報を集めて優秀な人材に辿り着けるかに知恵を絞ることがとても重要となります。

「スタートアップで採用すべき理想的な営業スタッフ」

例えば以下の候補者からあなたはどの人物を採用しようと考えるでしょうか?

候補者1:営業部門の営業担当役員
以前ライバル社の営業部上席副社長であった人物で、25年の営業経験がある。500人の営業チームを率い、20億ドルの年間収益をあげた実績がある。

候補者2:トップセールス
営業部門で営業担当役員の下で働いていた人物。500人の営業チームのトップセールスで3年の営業経験がある。

候補者3:起業家
起業して2年の会社社長だったが、自己資金不足に陥った。起業前は大企業の営業スタッフの経験があるが、当社のターゲット顧客に対する営業経験に乏しい。

候補者4:営業マネージャー
大企業の営業チームで働いており、半年前営業マネージャーに昇進。当社のターゲット顧客に対する営業経験はあまりない。

4名の候補者の良い面、悪い面から判断してみましょう。

 


1番好ましくない人物:営業部門の営業担当役員

ベンチャー企業の社長が一番に採用したがる人物ではありますが、実は最も好ましくない人材といえます。

営業部門の営業担当役員の強み

(1)人脈
この候補者は、あなたが対象とするクライアントの役員クラスとの繋がりがあり、非常に大きな強みといえます
しかし最近の傾向として、業界との繋がりが営業採用の際に過大評価されている感は否めません。ゴルフや野球観戦といった接待を通した営業活動は必ずしも功を奏すというわけではないのです。

(2)業界の見識
あなたのターゲット層に対し、優れた知識と見解を備えているでしょう。最適な市場開拓戦略、販売手法、価値ある提案などといった優れた見解を持っていると思われますが、「人脈」同様、営業採用プロセスで過大評価されていることも多いのが現状です。

営業部門の営業担当役員の弱み

(1)泥臭い営業をしたがらない
人に仕事を委ねることに慣れており、地味な作業を自ら実践するようになることは難しいといえるでしょう。

(2)ここ最近での第一線での実務経験がない
ここ数年、もしかすると10年ぐらい、実際に営業販売していないことが多いです。最初に採用する人材はできるだけ頻繁に見込み客と話す必要があり、そこにミスマッチがあるといえます。

(3)仕事のペースが遅い
ベンチャー企業の初期段階で必要とされる、スピード感ある仕事のペースに慣れるのに苦労することが想定されます。

 


2番目に好ましくない人物:トップセールス

トップセールスを採用する場合、その会社の創業者やCEO自身に営業マネジメントの経験があり、候補者に相応の時間を投資し、コーチングする覚悟がある場合にはうまくいくことがあるでしょう。しかしそうでない場合、トップセールスの採用は好ましいとは言えません。

トップセールスの強み

(1)業界の見識
営業担当役員と同じく、トップセールスもあなたの対象とするお客様を熟知しています。第一線で営業しているだけあって、有意義な情報といえるでしょう。またどうすればお客様と繋がり信頼を得られるか?お客様と共感し、優先事項が把握できるかなどの鋭い直感を保持しているのが特徴です。

(2)叩き上げの営業スタッフ
真の営業マンであり、大企業でトップを得たような生まれ持った営業の才能、強い勤労意欲や競争心が期待できます。

トップセールスの弱み

(1)仕組みが整っていない環境で成功する能力の欠如
これまでであれば企業から膨大な量の営業マニュアルを与えられ、それをベースに営業戦略を叩き込まれてきたでしょうし、仕事を効率化するための営業手段を武装できたでしょう。しかし、ベンチャー企業ではこの営業マニュアルを作成しなければならないところから始まります。その能力をトップセールスが備えているかは不明といえるでしょう。

(2)リーダーシップを取ったことがない。
今後のチーム拡大に貢献できる人材が欲しいとされる中、トップセールスは唯一コーチング力(リーダーシップ)を発揮したことがない人材といえます。

 


好ましいと思う人材:営業マネージャー

営業マネージャーの強み

(1)泥臭い営業を率先して取り組む
直近まで第一線で営業活動をしており、泥臭い作業でもやることに抵抗がないのが特徴です。

(2)リーダーシップを発揮した経験がある
トップセールスと違い、近々でマネージャーとしてコーチング力を発揮しているケースが高いです。営業戦略を構築し、優れた人材を採用、顧客管理データベースを活用し、ゆくゆくはチームコーチに変貌する力を持ち得ています。そのため、早期に昇進するチャンスを与えれば意欲と忠誠心を備える人材といえます。

(3)折り紙付きの実績
そもそも営業マネージャーが昇進したのは努力の賜物であり、会社に貢献した功績と優秀なリーダーとしての可能性があります。

営業マネージャーの弱み

(1)業界の見識
あなたのターゲット層に販売した経験がない、ということはさほど危惧する問題ではありません。理由として、このタイプは急ピッチで学習することが期待できるからです。

(2)起業家的な直感
営業マネージャーは多くのお客様とアポイントを取り、ビジョンを売り込むことができますが、結果はそこまで期待できません。対象顧客の重要課題を自分で見極めなければならなし、課題解決や自社の商品価値についての顧客の率直な意向を探らなければならないからです。

これらのプロセスを経験して顧客の傾向を知り、対象顧客に繰り返しアプローチする、さらに価値ある提案を繰り返し提示し、プロダクト・マーケット・フィット(商品と市場の合致度)に向かって進んでいく、といった革新的な能力が必要となります。

 


最も好ましいと思う人材:起業家

起業家の強み

(1)起業家的な直感
起業家は最も会社を適切なプロダクト・マーケット・フィットに向けて舵を取ることができる可能性が高い人材であるといえます。熱心に見込み客の課題や機会、方向性や優先順位を掘り下げることができます。また、起業家の直感を用いて一歩下がって冷静に考え、経営者や商品チームの軸や方向性を定めることができると思われます。

(2)営業としての基礎
大企業で正式な営業研修を受け、経験を積んだ土台を活用し、組織が成長するための営業手法を構築すると思われます。

(3)リーダーシップを発揮するポテンシャル
起業家としての経験によってメンバーを率いる経験と能力を身につけていると思われます。

起業家の弱み

(1)営業マネジメントの基礎
もし、これまで営業スタッフの採用やマネジメントの経験がないとしても、プロダクト・マーケット・フィットの段階まで進める能力を有すると思われます。それができればのちに営業スタッフの採用や育成を導くことができることでしょう。

(2)業界の見識
自社のターゲット顧客に対し営業した経験がないので、学習し習得しなければなりません。

いかがでしたか?
あなたの会社で採用すべき理想的な営業スタッフとは、どんな人材でしょうか?

もし、あなたが初めて採用する営業スタッフについて悩んでいるなら、上記の4タイプに候補者を分類してみた上、決断してみるのもよいかもしれませんね。