2019.4.9

社員の働く時間が減ってもこれまで通り成果が上がるスマートな生産性向上4つの方法

働き方改革が叫ばれてしばらく経ちます。生産年齢人口は今後ますます減少の一途を辿ることは確実で、それに伴う労働力不足の解消は国を挙げての急務となっています。対策として、①女性や高齢者など新しい働き手を増やす、②出生率を上げ将来の労働力を増やす、③労働生産性を向上させる、の3つが掲げられており、中でも我々企業ができる取り組みは③であることは言うまでもありません。

労働生産性が低すぎる国「日本」

日本生産性本部が公表する我が国の労働生産性は、OECD加盟国36か国中20位であり、G7に至っては最下位で、深刻な状況と言われています。

結果として、2019年4月から有給休暇取得の義務化が開始されました。5日以上の有給休暇を取得することが義務づけられたことで、例えば年間労働日数を240日とした場合、ここからさらに5日間の有給休暇が取得されるとなると、企業としては2%の労働力を失うことになります。

労働力確保のための残された手段は生産性の向上です。しかしながら、先に述べた結果の通り、生産性の低い我が国には案の定、生産性を高めるための考え方が浸透しておらず、何から着手すべきか手をこまねく経営幹部も多くいます。一体どのようにすれば企業は生産性を高めていけるのでしょうか?

生産性向上に失敗しないための大前提「4つの切り口」

まず、生産性の定義を明確にしておきます。企業において生産性とは以下の等式で示すことができます。

付加価値とは、概して「売上-外部調達」であり、例えば「営業利益高+人件費+租税公課+不動産・物品賃借料」などで表されます。3名の従業員(Input)で300万円分の付加価値(Output)をあげれば、生産性は100万円となります。

さて、この等式から分かることは、生産性を向上させるためには、Outputを増やすかInputを減らすという2つの方法しかないということです。それらをさらに「これまでの取り組みの延長線上にあるもの」と「これまでの取り組みの延長線上にはないもの」に分け、合計4つの切り口で捉えることができます。

A及びBはinput削減型、CとDはoutput増加型のアプローチです。例えばAに当てはまる具体的な取り組みとして、作業効率の高い社員の特徴を標準化すること、営業資料をテンプレート化し効率化を図ること等が挙げられます。

Bには、これまで手作業であった工程を機械により自動化すること、分散された製造拠点を海外一拠点に集約し間接費を大幅削減すること等が考えられます。

またCでは、例えばチョコレートのパッケージの高級化により価格を上げること、顧客から求められる機能の品質を高めること等が挙げられます。

Dには、人工知能やIPS細胞のような先端テクノロジーを活用し新たな価値を創出すること、Facebook社のような斬新なアイデアにより新たな価値を生み出すこと等が挙げられます。以上の話を整理すると下の図のようになります。

生産性向上のために今すぐできる取り組みはA~Dのうちどれか?

さて、生産性向上を目指す企業にまずお勧めしたいのは、短期的に効果の出やすいAと極めて大きな効果が期待できるDです。

まず定番手法として、Aにおける具体的アプローチを紹介します。従業員の1日の作業を計測し、非効率な時間の効率化を図ります。例えば、1か月の労働時間を業務別に分け、直接価値を生んでいる業務(主体業務)とそうでない業務(付帯業務)に分けます。この付帯業務の中でも、特に多くの時間を割いてしまっている業務から、主体業務に切り替えられないかを検討していきます。

また、主体・付帯の業務を問わず、人別に比較をすることも有効です。同じ業務に取り組んでいても人によって費やす時間に差が生じていることがよくあります。

早く終わらせることができる人とそうでない人が業務別に明確になるため、こちらも総時間が多くかかっている業務から、人別の差異を減らせないかを検討していきます。地道な方法ではありますが、コストをかけず、高い確率で生産性を向上させることができます。

次にDについて述べます。Dに当てはまる生産性向上の方法は、大きく2つに分けることができます。一つは、先端技術のような専門的知見の蓄積と研究開発の末、成し遂げられる生産性向上です。もう一つは、既存の技術の組み合わせなど斬新なアイデアによって、成し遂げられる生産性向上です。

お分かりの通り、後者は最もコストが小さく、リターンが大きくなるケースが多いです。なぜなら、何かしらの問題の解決策を常に模索し続けた結果、「それを解決する適当な(既存)技術や組み合わせが見つかった」からであり、前者と比較して、膨大な研究開発コストはかかりません。その代わりに、誰かが’’問題の解決策を常に模索’’し続ける必要があります。

しかしながら、経営陣だけで現場の隅々まですべての問題を把握し、ひとつ一つ丁寧に解決策を模索している時間はありません。解決策を模索するのは常に現場である必要があります。

現場からアイデアが続々と生まれ、ボトムアップで問題解決が進む方法

生産性を向上させるためには、現場レベルで自発的に問題の解決策を模索し続ける動きが必要です。こうした人財を育てるためには、’’思考することが当たり前’’となる組織作りをすることが必要不可欠です。こうした組織作りは、上司~部下間やチーム間での日々のコミュニケーションの中に、思考することをクセづける’’仕掛けづくり’’から始まります。例えば、以下のような仕掛けです。

・クリエイティブな思考時間を増やす仕掛けを作る
・クリエイティブな思考・行動に対して「評価」を行える仕掛けを作る
・プロジェクトや業務を進める者同士では常に問いを立て合える仕掛け
・レビューの場において上司は部下に新たな視点を与え思考の機会を作る仕掛け
・多様化した価値観を尊重し合える仕掛け
・意見を気兼ねなく上申できるようなフラットな仕掛け

これらの仕掛けを日々の業務やコミュニケーションの流れに設置し、個々人が必然的に思考できる環境を作り出していきます。ミーティングの進め方や報告・連絡・相談の方法も全く違ったものとなり、徐々にそれぞれの持ち場での課題意識が芽生えてきます。そこには、より良い解決策を導き出そうとする風土ができ、’’思考することが当たり前”となる組織ができ始めます

さて、上記のような組織が思考する仕掛けを具体的にはどのように作っていけばよいのか、また最も短期的に効果の出やすい生産性向上Aの取り組みについても、何から着手していけばよいのか、それらの枠組みを理解し、具体的方策に落とし込める方法論を以下のダウンロード資料にまとめております。

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