2019.5.24

社長の’個人商店’から抜け出せないベンチャー企業の大問題『リーダー不足』はこうやって解決できる

創業10年以内のベンチャー企業の経営者の方と話していると、「次の世代が育たない」「言われたことしか出来ない部下ばかりだ」、「アイデアを出すのはいつも自分だけ」と吐露されることがよくあります。

売上のトップラインを引き上げるため、あるいは新規事業を立ち上げるため、さらにはIPOを目指すためなど、企業としてもうワンランク上のステージへ成長していくためには、どうしても経営者ひとりの力では限界があります。社長を支える経営幹部、組織の核となるリーダーの存在が必要不可欠です。

しかしながら、そういったリーダーはなかなかいません。いつの時代も人事における上位課題のひとつに「次世代リーダーの育成」が挙げられます。もちろん‘次世代リーダー’の定義は企業や業界により異なりますが、概ね理想的な人物像として、「自分で物事を考え、自発的に課題を設定し、それを解決していける人財」であることに集約されます。

次世代リーダーが育ち、いわゆる社長の‘個人商店’から、確かに企業組織となるためには、人財マネジメントにおいて一体あと何が必要なのでしょうか?

社長のように動ける社員はまずいないという事実

多くのベンチャー支援を行ってきた中で、まず一つ断言できることは、社長のように動ける社員はいないという事実です。自ら登る山を決め、緻密な計画を立て、周りを巻き込んで目的を達成していける人材は滅多にいません。

将来的にそのような活躍を社員に期待するのであれば、「自ら目標を立て、行動し解決しにいく場」を意図的に提供し、成功体験を積ませることが必要なのです。もちろん個人の資質による向き・不向きはあり、採用時に見極めをすることは大前提ですが、リーダーが育つ土壌作りは決して放っておくわけにはいきません。

しかしながら、ほとんどの企業では、このような「場」は提供されていません。仮に提供されていたとしても、社員自身が成果に実感を持てるマネジメントは為されておらず、その場限りの経験で終わってしまうことが非常に多いのです。

「そんなことは勝手に学んでくれ」と言いたくなる経営者の気持ちとは裏腹に、社員にとって自分の経験を客観視し、体系化することで次のチャレンジに応用していくことは極めて難しくもあります。だからこそ、マネジメントラインがより俯瞰的な視座から部下に対して、気づきを与えていくことが重要となるのです。

マネジメントスタイルは良くも悪くも伝承される

しかしながら、ベンチャー企業にはマネジメントにおける大きなボトルネックがあります。組織規模が小さいベンチャー企業では、ジョブローテーションの機会は少なく、新卒入社時からある特定の上司のマネジメントのみで育つことがどうしても多くなります。

マネジメントスタイルは往々にして伝承されるため、そのやり方で育った部下は、またその下に同じようなマネジメントを施すことになります。つまり、現状のマネジメントスタイルを変えない限り、‘次世代リーダー’は育つことなく、ただ稀有な存在が現れるのを待つばかりとなります。

では、どうすればこの負の連鎖を断ち切り、次世代リーダーが育つ組織に変わることができるのでしょうか?外部研修などを受け入れる方法もありますが、自社内の工夫でマネジメントスタイルを変化させ、リーダーが育つ仕組みを作ることも充分に可能です。

次世代リーダーが続々と育つマネジメントの仕組みとは?

次世代リーダーを育てるためには「自ら目標を立て、行動し解決しにいく場」の意図的な創出が必要であると述べました。その‘場’を創る目的は、本人が成功体験を積み、それを実感し高揚感を持って、さらなる新しいチャレンジに自ら踏み出すサイクルを作ることです。

この自走するサイクルを作る過程で、マネジメント上、最も重要となるのが「目標の立て方」とそれを実行した後の「フォロー」です。本人に少しストレッチした目標を与え、「何故これをあなたに任せるのか」という理由をきちんと説明することで、本人の成長への期待を示すことができます。

そして、フォローでは、出た結果について、良い面と悪い面の双方をフィードバックしつつ、「あなただからこれができた」というポイントを必ず作り、取り組んだことへの意義を感じさせるのが肝要となります。

そうすることで、部下の成功や失敗は、ただ偶発的な経験に終わることなく、自身の資質や起こしたアクションと、そこから出た結果を結びつけることができ、本人の中で体系化された経験則として落とし込めるようになるのです。体系化された経験則をもつ人材は、次のチャレンジへそれを応用させることができ、リーダーとしての資質を備えていきます。

<次世代リーダーが育成される仕組み>

あなたが部下に期待することは何なのか?

中小企業において、次世代リーダーの育成は常に課題に挙げられます。そして、この課題の責任は、育つ側の「意志の弱さ」にあると言われがちです。しかしながら、実際の原因は、そういったマネジメントを受ける機会がないことにより、自ら目標を立て、意志を持ってアクションを起こす経験の不足にあるのです。

本来あるべきマネジメントの姿において、「部下の目標を立てる」とは、「部下(育つ側)に何を期待するか」ということです。そのために、部下の強み・弱みを把握し、組織にあるどの課題にチャレンジさせ、どういう結果を求めるかということが肝となります。

また立てられた目標に対する「実行後のフォロー」を部下の成長に十二分に活かすためには、部下の乗り越えるべき課題、また部下がどういう期待をかけられると喜びを感じるのかという点を理解しておく必要があります。

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