2018.9.14

自社における営業の勝ちパターンを営業研修の設計に組み込む

優秀な営業スタッフは、それぞれ得意とした販売プロセスにおいて「特殊能力」を持っています。この特殊能力はトップセールスによって異なることが多く、とある新人に1人のトップセールスだけを観察させることは、営業方法の理想を限定することになります。

つまり、その営業方法の素晴らしい面を見ることができる反面、悪い習慣を身に付ける可能性があるのです。

例えば以下の2人のトップセールスがいます。

スタッフA

信頼関係を築くのが得意なスタッフであり、リード(見込み客)をよく熟知している。商品販売のための時間の半分を、お客様の子供やペット、嗜好品や音楽を聴くのに費やしていた。営業のその他の項目においても「平均的」か「非常に優秀」であったが、Aの信頼関係を構築する能力は群を抜いていた。

スタッフB

全般的な営業活動でBより他に優れた人がいない。同時進行で複数のタスクを行え、時間を最大限有効に使い、いずれも上手に両立しており、そのスピードは並外れていた。A同様、その他の業務でも「平均的」か「非常に優秀」であり、活動量はずば抜けていた。

この能力が違う2人が、お互いの相手を研修担当していたらどうだったでしょうか。おそらくうまくいかなかったでしょう。

Aにとって、仕事の成功が「高い活動量にかかっている」とプレッシャーに感じ、研修を途中で投げ出していた可能性が高いでしょう。

またBにとって、仕事の成功は「信頼関係次第である」と認識し、おしゃべりが自分の強みでないと気落ちしてしまい、成功できるか不安になる可能性が高いといえます。

これらのことから、自社のすべての営業プロセスにおける勝ちパターンを入社したての新人に提示する手段が必要となります。新人には、重要な学習内容を吸収させるだけでなく、「営業手法」の1つとして勝ちパターンが活用されるようにし、特殊能力も生かせる柔軟性をも併せ持たせなければなりません。

優れた営業手法は3つの要素から構成されます。

その3つとは
・バイヤージャーニー
・営業プロセス
・リードを絞り込むための指標

であり、この3つは成功する研修プログラムの軸となる勝ちパターンとなります。

「バイヤージャーニー」とは、お客様が商品を購入するときにたどるステップの全体図を表します。営業戦略における設計プロセスは、このバイヤージャーニーを作ることから始めるべきです。

バイヤージャーニーから始めることで、販売プロセスでは一貫して、お客様のニーズを最優先できるようになります。さらに営業チームが一歩下がってお客様のバイヤージャーニーを促進させたり、効率的にするかを検討できたりすることが可能です。

例として、お客様の購入までのステップとして以下のようなバイヤージャーニーが考えられます。

・リード獲得の促進を優先
・戦略の選択肢を調査
・戦略を選定/サービス会社を査定
・サービス会社を決定/試行
・実際の実例を収集
・役員会に提示
・最終的な契約条件の交渉

営業ステップを設定する際、各ステップがバイヤージャーニーと一致すると、お客様にとって担当営業スタッフが心強い存在となります。また、営業プロセスの各段階が評価可能であれば正確な状況を把握できなお良いと思われます。

お客様は、自分の目標や問題解決の方向性がはっきりすることで、営業ステップとともにバイヤージャーニーを歩むことができるのです。

営業手法を中心とした研修・カリキュラムを作成

営業手法が定まると、研修・カリキュラムは簡単に作成できます。
導入例として以下のようなステップで進めてみるのもよいでしょう。

1.バイヤージャーニー研修会で深く掘り下げるところから始める
2.バイヤージャーニー研修が終了したら営業プロセスに移り、営業プロセスとリードを絞り込む
3.営業プロセスとリードを絞り込む指標を紹介するセッションを設ける
4.営業プロセスの各段階を掘り下げるために個別の講座(例えば「リードの開拓」「最初の電話」など)を実施する
5.チーム成長につれ業績優秀な営業スタッフに講座を受け持つ権限を与える

現在、営業研修において「同行する」という古い戦略は測定可能でも予測可能でもありません。そのために科学的な方法で、繰り返し適用可能な営業育成方式が必要となります。具体的には、研修プロセスに試験と数回の検定制度を設けることが効果的です。

このように営業手法や詳細スケジュール、技能テストや検定により、測定可能で予測可能な営業育成方式の構築へ進むことができます。

この手の仕組み化の利点は、評価し、繰り返し適用可能な基準となる基礎ができることにあります。
営業育成方式は、先に述べた営業採用方式同様に、常に進化し、ビジネスの変化に対応しなければならないのです。

「顧客が信頼する営業スタッフをつくる」

現在、買い手は購買と販売プロセスをコントロールしています。インターネットを通じトップクラスの売り手を見つけられますし、複数のサプライヤーの価格や機能を比較することも可能です。

またインターネットで商品を無料に試し、その場で商品やサービスを購入することもできます。

それにもかかわらず、なぜ営業スタッフが必要となるのでしょう?

営業スタッフはお客様にさらなる付加価値を与えて、営業の存在価値を意義あるものと立証しなければなりません。そのためリードが求める営業とは、誠実で信頼されるものでなければならないのです。

営業スタッフは、お客様の目標を理解するために、高度な観察力が必要になります。例えば自分の言葉を使って、商品の無難なメッセージを共感し、ニーズに沿えるシナリオに書き換えなければなりません。

そのため訓練された営業スタッフは見込み客の日常業務を体験しています。

・見込み客が一日中何をしているのか?
・仕事においてどの部分が簡単で、難しいのか?
・ストレスに感じる部分はどこか?
・日々の職務で楽しい作業は何か?

など、営業スタッフがお客様の日常を知ることができれば、お客様と共感できるようになり、確固たる関係を築き、信頼を得て、考え方を理解することができるようになります。

営業スタッフにお客様の通常業務を理解させることが営業育成方式において重要な目標となるのがよいのです。

ソーシャルメディアを活用する

ソーシャルメディアはどんな営業スタッフでも潜在的な顧客から信頼される指導者になれるチャンスを与えてくれます。営業スタッフはリード開拓に費やす時間をソーシャルメディアにも同様に費やすべきといえます。

もし、あなたに現在効果が出ていない取り組みがあるなら、そこに時間をかける代わりにソーシャルメディア戦術に時間を投資するのが賢明です。

以下は営業スタッフに試みてもらいたい戦術例ですので参考にしてみるのもよいでしょう。

1.リードがツイッターでフォローしている人を見つける
2.リードが参加しているLinkedInを見つける
3.リードが読んでいるブログを見つける
4.あなたの会社のブログづくりに参加する