2019.5.21

スタートアップの人材育成は時間との勝負。最速で部下を育てるマネジメント手法「2R+TEAM」とは?

急成長するスタートアップ企業にとって、差し迫った課題として挙げられるのが人材の育成です。即戦力となる人材を採用できることはごく稀で、毎週、毎月のように入ってくる新入社員がひとりでに育っていくこともありません。プレイングマネージャーとして膨大な業務をこなしつつ、彼らを育てていくことは極めて困難です。

しかしながら、事業成長に合わせた人材の早期戦力化は急務であり、経営陣やマネージャーには効率的で確実な成果につながるマネジメントが求められます。そのように効果的なマネジメントを実現するためには、現場の情報を幅広く、深く、そしてタイムリーに収集し、問題発見と問題解決が迅速に行われる仕組みを作っていく必要があります。

ここでは、「育て方がわからない」というスタートアップの経営陣やマネージャーの方々へ、部下育成に割ける工数が少ない中、どうやって効率的な人材教育を行っていくかということについて述べていきます。『2R+TEAM』というマネジメント手法を取り入れ、組織として計画的なコミュニケーションを行うことにより、自走する部下を着実に育てていきます。

その具体的方法論をご理解いただくため、まずスタートアップ企業が陥りがちなマネジメントの失敗ストーリーを見ていきます。

リリース寸前で判明。指示出しした業務の成果物に愕然

佐藤さんは急成長しているSaaS企業の営業部に勤務する部長です。営業部ではちょうど1ヶ月前にチームリーダーが転職し、その代わりに中途採用した若手の鈴木君が入社してきました。部下の人数は変わらず8人です。鈴木君は有望視されているものの、チームリーダーが抜けたことで、全体的なパフォーマンスは落ちており、佐藤部長の部下育成に期待が寄せられています。

鈴木君が入社して間もないある日、佐藤部長は『プロダクトAのクレーム発生の原因に関するレポート提出』という業務を鈴木君に指示しました。これは経営幹部や開発部、カスタマーサクセス部まで関与する重要なレポートです。1ヶ月後の提出で比較的タイトなスケジュールでしたが、佐藤部長は鈴木君に早く活躍してもらおうと、あえて難しい仕事を与えました。

翌日から鈴木君の業務はスタートしました。業務の進捗は日報で報告されることになっており、日報を見る限り「特になし」「計画通り進捗」など、問題なく予定通り進めている様子でした。しかし、納期になり提出されたレポートを見て佐藤部長は愕然とします。論理構成は全く筋違いで、内容も酷く乏しいのです。

特にカスタマーサクセス部門の責任者からプロダクトAのクレーム要因の仮説をヒアリングしたレポートは目も当てられない状態でした。佐藤部長は慌てて鈴木君をレビューしましたが、彼がこの1ヶ月の間どのように業務を進めてきたのか記録が曖昧でほぼ把握できなかったため、自分の中にあるゴールイメージを指示することしか出来ませんでした。

結局、この件は納期を2日遅らせ、佐藤部長が2日間徹夜することで事なきを得るのですが、果たしてこのような指導を続けていて本当に部下は育つのでしょうか?形骸化された報告だけでは教育はおろか、マネジメントすら到底うまくいきません。

組織マネジメントを劇的に変化させる『2R+TEAM』とは?

このような課題に対して、『2R+TEAM』というマネジメント手法は有効です。『2R+TEAM』は、急成長する組織において、マネジメント側が押さえるべきポイントを6つの頭文字で表したものです。Report(タイムリーに報告を受ける仕組みの有無)、Review(計画的にレビューする仕組みの有無)、Touch(現場介入の有無)、Examine(問題調査の有無)、Announce(施策の方向性提示の有無)、Motivate(動機づけの有無)からなります。

まず、組織マネジメントにおいて、最も重要なことを述べます。佐藤部長の場合もそうですが、特に急成長する組織のマネジメントでは、組織内の必要な情報を‘タイムリー’且つ‘正確’に入手できる「情報収集の機能」が肝となります。

情報収集の具体的な方法としては「Report」を通して部下に報告をさせ、「Review」で業務の進捗状況の実態を確認していきます。ここに関しては、一般的なミーティングの形式で良いのですが、ポイントはそのミーティングが、①タイムリーに情報が拾えるための仕組みであり、②そこで計画的なレビューができているかという点です。

例えば、1ヶ月に一度の全体ミーティングではそれは叶いません。可能であれば1on1による週次ミーティング等を行い、計画性を持った報告とレビューの機会を設置していきます。

しかし、今回の鈴木君のように、「Report」と「Review」だけでは実態が見えないケースもあります。このような時のために、マネジメント側はさらに深堀りし、③状況を正確につかむための現場介入「Touch」をしていく必要があります。それでも課題が発見できない場合は、④その源泉をたどる調査検討「Examine」も情報収集の手段として心得ておくべきことです。

そして、押さえるべきポイントは情報収集の機能だけではありません。マネジメント側は、⑤部下に対して施策方針を伝え努力する方向性を示す「Announce」機能を持ち、また⑥部下個人の状況に紐づけた動機づけ「Motivate」をすることも人材育成の上では極めて肝心です。

『2R+TEAM』は人材教育におけるリーン・スタートアップである

『2R+TEAM』の良いところは、情報をタイムリーに正確に把握でき、変化する状況に組織としてスピーディに対応していけるアイデアであるということです。この6つの機能を念頭に置きながら組織マネジメントを行うことで、多忙な中でも迅速な人材育成を行っていくことができます。組織を取り巻く環境が刻一刻と変化する中で、スピーディなフィードバック・ループは非常に有効で、自走する部下を育てる効率的でパワフルな武器となります。

まさにこれはリーン・スタートアップの概念にも通用する点であり、人材育成において大いに役立つ実践的手法なのです。

今すぐ『2R+TEAM』をマネジメントに取り入れ、組織改革を行っていきたい方のために、「2R+TEAM実践シート」を用意いたしました。シートは以下からダウンロード頂けます。

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